JCGでは会員のコンサルティング能力の向上及びスキルの共有を目指して、会員向けのセミナーを、2ヶ月に1回程度を目処として実施しています。
初回のテーマとして、「経営革新」と「事業再生」を取り上げ、それぞれが3回もののシリーズとして理論から実践にいたるまでの範囲でまとめる予定としています。すでに第1回と第2回は終了しました。
今回は、第2回目について簡単に内容をご報告します。
- 経営革新 PART2 ~経営革新の方法論~ 講師:小田 澄男
- 人事リストラの実際 講師:井上 環
なお3回シリーズと述べましたがそれぞれが独立した完結型となっており、この中の1回だけでも受講いただければ、十分な成果が得られるものと自負しております。
5月23日(水)に開催予定の第3回についても既にご案内を差し上げていますので、ふるってのお申し込み、ご参加をお待ちしています。
■経営革新 PART2 ~経営革新の方法論~
「経営革新」には、ICPEのプロセスがPDCAよりも適していることについて、今回はI、Cを中心に説明をいただきました。
それぞれの意味は以下のとおりです。
Ⅰ:Investigate 現状を詳しく調べる(調査)
C:Consider 課題について熟考する(熟考)
P:Project 達成する道筋を計画する(計画)
E:Execute 遂行する(遂行)
ICPEプロセスのメリットとしては以下の点が強調されています。
- 標準的なプロセス設計により、品質と生産性の向上が期待できる
- タスクとサブタスクなどに用意するツールを開発することにより、さらに品質と生産性の向上を図れる
- 経営革新テーマごとに事例DBを蓄積することにより、さらに的確なコンサルティングの実現を図れる
アプローチ面では、「具象世界」と「抽象世界」との考え方および目的(WHAT)と手段(HOW)の峻別の必要性を述べているところが注目できます。
「調査」におけるアプローチの例を以下に示します
- タスクとサブタスクに分ける
タスク(1):経営環境調査・分析
サブタスク:経営方針策定、資料収集とまとめ。機会と脅威抽出
タスク(2):経営資源分析
サブタスク:経営者ヒアリング、資料収集とまとめ、強みと弱み抽出 - タスクとサブタスクの分析
経営環境:企業がおかれている環境の実態をマクロ・ミクロの視点で詳細に調査分析し「機会」と「脅威」を抽出する
経営資源:企業の組織と活動の理解のために、経営の実態を詳細に調査し「強み」と「弱み」を抽出する - 調査のための手法・ツールの選択
まずはヒアリング
分析のためのツール(モデルの選択など)
経営課題抽出の為のツール(SWOT分析など)
■経営革新 PART2 ~経営革新の方法論~
事業再生を成功させるために避けて通れないのが「人事リストラ」です。
しかし遂行にあたっては労使双方に痛みを伴うことが多く発生します。
特に労働者側にとっての影響は大きいです。そのため多くの労働者側にとって有利な法規制などが制定されています。
この法体系の全体を労使共に知っておくことが求められます。そうすれば、経営側が一方的に無理なごり押し要求をしてくることも少なくなると想定できるし、労働者側も法律を武器にして争うこともできるのです。
本セミナーではまず労働法体系の概略について説明し、それを受けて、合法的で効果的かつ効率的な人事リストラが実施できるかどうかを説明します。
- 必要な労働法関連知識の把握(詳細省略)
- 事業再生において人事リストラは避けて通れないことを認識して主な流れを把握
- 適正人件費の把握 *参考「賃金制度再構築のプロセス」
- コア人材の見極め
- 役員報酬の削減
- 福利厚生費の削減
- 退職を伴わない雇用調整の実施
- 退職を伴う雇用調整の実施
- 人事リストラの実施事項
- 役員報酬の削減―まず真っ先に
- コア人材を中心とした適正人件費を把握
平均賃金水準、他社比較、経営上許容される人件費などを参考にするが、客観的な基準はないことに留意 - 労働分配率の分析と最適値の見極め
- コア人材の見極め
人事評価制度の整備、必要とされる人材の見極めと特定 - 法定外福利費の削減
- 退職を伴わない雇用調整
目標の設定:レベル別必要人員、給与水準、項目別目標額など
方法の検討と決定:残業制限、採用中止、派遣契約の解除、賞与削減・昇給停止・給与引き下げ・管理職手当カット、有期雇用の雇止め、配置転換・出向、雇用形態の多様化など - 退職を伴う雇用調整
大きくは、希望退職、退職勧奨、整理解雇の3つ。
主な留意点はさまざまで特定は困難だが、例として下記を挙げる。
希望退職:自己都合である、割増金は必ずしも必要でない、募集に関する法規定はない、コア人材が応募する可能性あり
退職勧奨:強制はできない(対象者の選定はできる)、法規定はない、合理的な理由が必要
整理解雇:最終手段であり、就業規則へ明記が必要であるとともに、次の4要件を満たすこと - 人員整理の必要性
- 解雇回避努力義務の履行
- 被解雇者剪定の合理性
- 手続の妥当性
整理解雇を行う4要件のうち、「人員整理の必要性」と「解雇回避努力義務の履行」は解雇手続実施前の要件であり、解雇手続を実施に移すまでに完了しておくべき要件です。
実施にあたっては、社員との協議に十分な時間をかけ、全員が公平に扱われるような努力をすべきです。
いずれにしても、整理開講は最後の手段であり、安易に進めると、再生はできず、紛争リスクもあります。
慎重かつ迅速な対応が求められます。
【参考】「賃金制度再構築のプロセス」
組織分析:平均年齢、階層分析、人員構成分析
賃金水準比較:モデル賃金、生計費
賃金体系及び支給実態の分析:賃金規程、賃金体系、基本給と諸手当
総額賃金分析:人件費総額と比率、労働生産性
退職金負担分析::退職引当と人員計画のシミュレーション



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