経営支援最前線 会員コラム

JCG、城西支会国際オープンセミナー報告

JCG事業部副部長 小野 靖

2011年11月19日(土)、杉並区立産業商工会館にて、JCG、城西支会共催、西武信用金庫協賛の国際オープンセミナーが開催されました。
国際オープンセミナーは2010年に続いて二回目です。前回は中国を取り上げましたが、今回は「海外進出先としてのASEAN~中国とのFTAが巨大な経済圏を生み出す~」と、ASEANをテーマに掲げました。当日は折悪しく激しい風雨となりましたが、中小企業診断士、西武信用金庫のお客様の企業経営者、併せて49名が参加されました。
JCG会長であり、城西支会長でもある野村様、西武信用金庫常勤理事の高橋様に開会のご挨拶をいただき、講演が開始されました。
以下、講演テーマ毎に内容を簡単にご紹介させていただきます。


基調講演「ASEAN・中国自由貿易協定と投資環境」

…講師:ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所パートナー 梅島 修 氏
梅島氏には、国際政治で今一番ホットな話題とも言えるTPP交渉にも触れながら、FTAの現状と今後、FTAの活用法、問題点などについて、分かりやすくお話いただきました。
日本のTPP交渉には、中小企業へのサポートという視点が欠けている、自由貿易体制の中では、日本の中小企業は技術支援に活路を見出すべきだという二点が印象に残りました。

現地物流事情紹介「ASEAN域内新興地域における物流事情」

…講師:山九株式会社LS事業本部営業部マネージャー  福田 規保 氏
福田氏には、これまでのインドシナ物流は海上輸送が主体で河川港が栄えてきたことや、次第に陸路が整備されてきたこと、またASEAN新興地域内にてパトカーを先導に物流実験を行なったことなど、現地に進出した物流会社の人でなければ知らないような興味深い内情や経験談を交えながらお話いただきました。
因みにバンコク・ハノイを例にとりますと、海路は約2週間かかるのに対し、陸路は3日で済むそうです。

海外進出事例紹介「アジアへの入口ベトナムへ-集団進出の取組み」

…講師:株式会社リード技研ならびにコプロナ株式会社代表取締役 小川 登 氏
小川社長はお忙しい方で、この日ベトナムから戻られた足でそのまま、講演会場に駆けつけてきてくださいました。社長自らビデオカメラで撮られた現地の映像をプロジェクターに移しながらお話いただき、臨場感あふれるお話となりました。
ベトナム人は頭が良く勤勉で、しかも日本人を尊敬している、中小企業でも十分ベトナムに進出できるというお話は、自ら進出しているだけに非常に説得力を感じました。

2011国際セミナー・質問コーナー

質問コーナーでの一幕

3人の講師の講演が終わった後、西武信用金庫事業支援部推進役 林 正俊 氏から2011年6月にできた海外サポートデスクの紹介があり、続いて、講師3人に林氏を交えて質疑応答の時間になりましたが、会場参加者からの質問は多く、あっと言う間に閉会の時間となりました。
JCG・城西支会小田副会長の閉会挨拶の後、名刺交換を予定していたのですが、会場の都合でゆっくりと時間が取れなかったことが残念でした。

今回、私はJCGの事業部副部長としてセミナーの開催・運営に携わってきました。セミナーを無事終えての充足感もありますが、主催した側から幾つか反省点もあります。
一つ目は土曜日の午後開催したため、中小企業の経営者を多く呼び込めなかったこと。企業経営者を呼び込むためには平日の夜が良いそうです。二つ目には講師三人で盛りだくさんの内容にしたため、一人一人の時間が少なくなってしまったこと。アンケートでも多くの方が時間が足りない感じがしたと回答されています。
こうした点を踏まえて、来年はより良い国際オープンセミナーを開催したいと思います。

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